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○真っ黒編
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銃声が響いた。
目の前で笑っていた彼は力を失い、糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。
「なんだ、いたのか」
倒れた彼の向こうから、私たちのボス、ザンザス様が歩いてくる。愛銃を手に、気配を完全に絶ったまま。足元に広がる落ち葉を踏みしめてなお、何の音も立てることはない。
「手が滑った」
暴発したとでもいうのだろうか。急所を一発で打ち抜いておいて。
ボスは口元にゆるやかに笑みを浮かべる。
そのあまりの冷たさに、私は微塵も動くことができなくなった。
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3人の関係はお好きな解釈で。
○ピンク編(何それ)
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報告書にざっと目を通す。特に問題が無い事を確認して、余白にペンを走らせた。
「いいぞ。下がれ」
「はい、失礼します」
彼女は書類にサインがなされたのを見届けて、ほっとした笑顔を見せて踵を返す。その表情が艶やかな黒髪の向こうに消えるのを見て、ザンザスはふと腰を上げた。
「いや、待て」
呼び止めれば彼女は即座に反応する。デスクの前に戻ってきたところへ手を伸ばし、ネクタイにそっと手をかけた。
「曲がってる」
「え、あ、すいません!自分で直しますから!」
慌てる姿が何とも言えない。笑いをかみ殺して、ネクタイを掴む手にぐっと力を篭めた。
「ちょっ・・・!」
「手が滑った」
「嘘です!」
引っこ抜いたネクタイをぽいと捨てて、ザンザスは嬉々としてシャツの胸倉を掴み寄せた。
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こっちのが書いてて楽しかった件。
私、卒論で大変なんじゃなくてボスで大変なんですねwww
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